2016年2月13日 (土)

アメリカで外科開業 -小自分史 昭和41年卒 若松忠家先生

米国滞在中の恩人で、Wilmingtonの若松家によくお邪魔してお世話になっていました。開業時点からの随筆を一部紹介します。

~Wilmington(Delaware州)に帰って、General Surgery and Surgical Endoscopyで開業した。誰かの跡を継いだのではなく、新規の開業だったので、ERや、家庭医からの救急の紹介が多くavailabilityが勝負であった。初めの二年は一日も休暇は取らなかった。アメリカで外科を開業するのに、大きな資金は要らない。Procedureは契約した病院に連れて行ってそこの施設やstaffを使ってするので、自分のofficeでは、術前術後の患者さんを診るための小さなspaceに、full timeのsecretaryとpart timeのnurseを雇い数脚の椅子と机、電話、computer、それに一、二台の寝台があれば事足りる。後は種々の手続きのための手数料以外は、一切金は要らない。二、三をあげると、小生のようなforeign medical school graduateは、ECFMGのほかに、アメリカの学生が受ける卒業試験/国家試験に相当するFLEXという試験を受けて通らなければ開業できない。大学病院などに勤務する場合は、ECFMGだけでよい場合が多いと言われる。患者さんに入院して貰って手術となると、検査、X線、手術室、麻酔などで働く、病院が雇っている看護婦やresidentを使わしてもらうための契約が要る。これに二年おきに再契約される。この再契約にあたっては、AMA(米国医学会)が認めた卒後教育40単位以上が必要とされる。外科医の収入は手技料だけ。入院料(hotel代)、検査代、看護代、薬代などは病院の収入になる。日本と同じで殆どの患者さんは何らかの保険を持っている。そうでないと一挙に破産となる。
不必要な手術をしたりすると、conferenceで叩かれ、第一保険屋が金を払ってくれないのは、多分日本と同じでしょう。アメリカでは、弁護士の眼。彼らは度の強い眼鏡をかけ、何事もすかして見れる、千里眼を持っている。医者、特に外科医は真剣である。それでも万が一に備え医療過誤保険に高い金を払わされている。実を言うとこれが一番の出費であった。年表を簡明に記す。1971 straight surgical intern、1974-5 chief surgical resident、1975-76 surgical endoscopy fellow under Dr.H. Shinya. 1976-2012 private practice in GS and surgical endoscopy.

こうして書き上げてみると、小生の来しかたが如何に多くの皆さんのご親切やお力添えがあってのことだったかと、改めて感謝いたします。多忙にかまけて家庭を顧みる事のなかった小生をよく励まし忠告し勇気づけてくれ、3人の子供達を育て上げてくれた妻に大いに感謝している。

長崎医学同窓会 朋百(Pompe) vol.137. 2016 p36~38 ~開業の時点p37後半から一部を紹介

2015年7月31日 (金)

急性期脳卒中患者に対する発症直後からの経口摂取訓練

7/30 時津カナリーホールで長崎市北部 嚥下障害・口腔ケア関連講演会を開催しました。

講演Ⅰ 地域の歯科と連携した外科周術期口腔ケア:外来初診時から、切れ目なく。

国立病院機構長崎医療センター外科医長 谷口 堅 先生

座長 鬼塚正成

講演Ⅱ 口から食べることと胃瘻・誤嚥性肺炎について

産業医科大学 リハビリテーション医学 講師 高畠英昭 先生

座長 道ノ尾病院 副院長 芹田 巧 先生

高畠先生が発表で冒頭に使われた動画を紹介します。

 嚥下障害_急性期脳卒中患者に対する発症直後からの経口摂取訓練 高畠英昭

Dysphagia_Interventions to promote oral feeding in acute stroke patients.

https://www.youtube.com/watch?v=nSJedii1yRg

2015年6月15日 (月)

神経救急に力注ぐ

徳洲新聞平成27年6月15日 月曜日 No.984 より

長崎北徳洲会病院の昨年4月から今年3月までの救急車取扱件数が1149件。脳神経疾患の割合が高く、脳卒中専門医が当直でない時でもモバイル端末のiPadによる画像転送システムを活用している。

五島列島の病院で指導

今年に入り、脳梗塞患者さんに対しtPA血栓溶解療法(脳梗塞になった脳細胞が完全に死滅する前に、できる限り早く血流を再開して少しでも脳細胞を救う療法)を施行。出血性脳梗塞を来した例もあるが、多くで再開通が得られた。鬼塚は「劇的に症状が改善する夢のような治療でもありますが脳出血の危険性を伴っており、担当スタッフには十分な教育を受けてもらう必要があります」と話す。済生会長崎病院が主導している長崎ISLS(神経救急のコース)を長崎北のスタッフが積極的に受講し、同時に指導する側としても常時参加。長崎北は、五島列島にある上五島病院、五島中央病院に、済生会病院と一緒に2年前から足を運び、ISLSの指導にあたっている。

上五島では昨年、ISLS受講後にtPA症例が3例あった。「脳神経外科医や神経内科医の専門医がいない離島でも、本土と同様の脳卒中救急が出来るように、これからも離島での活動は続けます」(鬼塚)

職員に教育が十分に行きわたらないと、高いレベルの医療を提供できない。院内の勉強会の動画を「Youtube」にアップし、スマ-トフォンやパソコンで自宅でも受講できるように配慮しているという。

精神科領域の救急も

「すべのスタッフと情報を共有し、協働しやすい環境づくりを目指しています。精神科・脳卒中科・総合内科・外科がコラボレートした老年医療が売りの当院にとって、精神科領域の救急医療も特徴になっています。」(鬼塚)

課題は、精神科のマンパワー不足。高齢化社会となり認知症患者さんに対応する機会が増えており、精神科医の役割は今まで以上に増している。

認知症の診断、治療には苦慮することも多く、長崎市北部認知症研究会にも毎回参加して情報交換を行い、他科の医師でも認知症に対応出来るように研鑽を重ねている。

脳卒中の救急と両輪でリハビリを充実させる必要があり、昨年9月から身体機能の拡張・増幅を目的として開発されたロボットスーツHALを導入。脳卒中後の片麻痺患者さんに利用し、新たな手段として活用している。40歳代の脳出血を起こした男性は、このHALを使って社会復帰を果たした。

この男性は、「下肢の麻痺が後遺症となり、職を失いました。リハビリ室で重度の麻痺がある60歳代の女性がHALを着けて頑張っているのを見て、私も挑戦しました。杖なしでの歩行後、正規雇用で採用してもらうことができ、スタッフの皆さんに感謝しています」。

長崎北徳洲会では月に1回、長崎HAL研究会に参加し、他病院と共にHALの活用方法などを学んでいる。

「昨年11月に長崎市医師会に入会し、今まで以上に近隣の病院・施設と連携を取りながら、長崎市北部から西彼杵郡までの脳卒中救急医療に微力ながら貢献したいと思います」と、鬼塚は熱い思いを語っている。

http://portal.tokushukai-contact.jp/media/news/shinbun984.html

2015年5月13日 (水)

元気です!My病院 長崎保険医新聞2015.5.10発行

 長崎北徳洲会病院は閉鎖されていた病院を買い取り、1986年11月に108床の救急病院としてスタートしました。昨年4月から今年3月までの1年間で救急車取扱件数が1149件、平均在院日数は17.9日です。内科系と外科系当直を常時1名ずつの2名当直体制、24時間画像診断、検査が出来る体制を整えています。特に脳神経疾患は多く、脳梗塞急性期のtPA血栓溶解や血栓粉砕療法が迅速に行えるように、脳卒中専門医が当直でない時でもiPadによる画像転送システムを活用しています。長崎済生会病院に事務局があり主導されている長崎ISLS(神経救急のコース)はスタッフに積極的に受講してもらい、同時に指導する側としても常時参加し、上五島病院、五島中央病院にも済生会と一緒に2年前から足を運んでいます。

 精神科領域救急医療も当院の特徴です。立石先生はポールマッカートニーと同じ年で現在でも診療されていますが、後継者となる医師がいません。これは精神科・脳卒中科・総合内科・外科がコラボした老年医療が売りの当院にとっては切実な問題です。特に高齢化社会において認知症患者に対応する機会が増えており、精神科医の役割は今まで以上に増しています。認知症の診断、治療には苦慮することも多く、道ノ尾病院が主宰される長崎市北部認知症研究会にも毎回参加して情報交換を行い、他科の医師でも認知症に対応出来るように研鑽しています。

 また、救急病院でありながら在宅医療に開院当初から取り組み、1990年、訪問看護を専任とする地域医療部を設置しました。昨年10月から在宅担当の内科医が常勤となり、長崎在宅ネットに登録されている開業医の先生方と連携して在宅医療を展開しています。2003年には回復期リハビリ病棟を20床開設し、救急から在宅までの継続したリハビリを充実してきました。昨年9月からはロボットスーツHAL(Hybrid Assistive Limb)を導入し、脳卒中後の片麻痺患者さんに利用し、新たな手段として活用しています。月1回長崎北病院で開催される研究会にも参加し、他病院と共に学んでいます。

 当院には勉強会や研究会を開くスペースがありませんでしたが、新築移転用地の契約がようやく成立しました。敷地面積は、現在の二倍を超えます。ただ、建物だけではなく、医師不足、看護師不足も悩ましい問題です。特に医師が平均年齢50歳と高齢化しています。若い戦力ある医師が入職後定着してくれるように子育て中の医師が働き易いフレキシブルな勤務体系とし、女医だけでなく男性にも同様に対応して労働条件を良くしています。更に2008年に保育所を併設しました。院内勉強会は動画をyoutubeにアップし、出席できない主婦層が空いた時間帯にスマホやパソコンで自宅でも受講できるように配慮し、共働きしやすい環境作りを目指しています。昨年11月から長崎市医師会に入会し、今まで以上に近隣の病院、施設と連携をとりながら長崎市北部~西彼杵郡の地域医療に微力ながら貢献したいと思います。

医療法人徳洲会長崎北徳洲会病院副院長・脳神経外科  鬼塚正成

2015年3月20日 (金)

剣道における脳震盪

昨年フィギュアスケート羽生選手が転倒して頭部打撲後に競技をした件で話題になった脳震盪ですが、ラグビー、サッカーと各競技団体のHPに復帰プログラムがあります。剣道に関しては神奈川県剣道連盟のHPにまとまって掲載されていましたので紹介します。剣道の場合、基本的には防具で守られているのですが後方に転倒して面がない後頭部を打撲することが時にあります。脳神経外科外来に来られる方がいらっしゃいますので参考までに。 http://kanagawa-kenren.com/archives/2159.html

全日本剣道連盟HPにも詳しく解説が出ています。http://www.kendo.or.jp/kendo/medicine/concussion-cervical.html

2014年11月27日 (木)

脳神経外科領域の画像・治療

看護師向け講義、今年3回目です。今回は画像と治療について語っていますが当院で行う治療が主です。少し難しいという感想を貰いましたが。。

https://www.youtube.com/watch?v=0FO_7vVcrG0&feature=youtu.be

2014年11月14日 (金)

注意すべき脳神経疾患

10月 当院看護師向け講義分を動画にアップしました。今回は症候学的なお話で、頭痛、めまい、しびれについて鑑別疾患を踏まえて外来、病棟看護師向けに私見を述べています。
https://www.youtube.com/watch?v=mlFr3z8ccmQ&feature=youtu.be

長崎北高創立50周年記念誌 18回生寄稿

同級生にもらった元気と心の支え

北高50周年おめでとうございます。我々18回生は高校2年の7月23日、長崎大水害を経験しました。部活帰りに松山町で遭遇した私は家の下を流れる川が氾濫して橋が渡れず、商店街のケーキ屋さんで一泊し翌朝帰宅しました。停電、停水が一週間続き、全国から支援物資が届きました。一週間後に福岡市内で玉竜旗剣道大会が予定されており多くの高校は出場辞退しましたが、顧問の香田郡秀先生(現筑波大学教授)にお願いして車2台で8時間かけて一般道を通り出場しました。東北大震災の際、津波の被害をTVでみた際、長崎大水害の記憶が呼び覚まされました。高2に受けた支援を今度は東北の方に少しでも、という思いもあり宮城県内での支援活動に3年前参加しました。

昭和50年代後半、各都道府県に医大が設置され、新聞各紙は将来医師過剰時代が到来すると記事を書き、医学部離れの傾向が出ました。私もこの噂に随分迷わされましたが、心の支えになったのは同級生の原君でした。彼は柔道部、稽古帰りにちんば坂を下りながら将来医師になりたいことを話し励ましあっていましたが、消化管にできた肉腫で闘病生活を大学病院で送り、病床で卒業を迎えました。現役で医学部に落ちた報告に行った際、原君から自分の分も頑張って欲しい、自分は外科医になりたかったと言われたのを覚えています。現在、長崎市内の救急病院で脳外科医として勤務している私にとって原君との約束は今でも忘れることは出来ません。

今年8月に18回生は30周年記念同窓会を開催するにあたり幹事会が先月ありました。高校時代11クラスあれば一言も話をしたことがなかったのに同窓会になると気軽に話が出来るから不思議です。懇親会で大水害の話題にはどうしても触れてしまいますが、各人が卒後のことを語り始めました。大学卒後、転々と職を変えて今は事務所を構えている人。卒後、愛知で水害に遭い、長崎に戻り専門学校の事務長をしている人。高校時代の活動からはとても想像できなかったのに今では議員活動をしている2人。北高にSECOMが入るきっかけを作った人も今では立派な社会人。根っからのバイク好きで今は単身赴任、中国でバイクを製造している人。某企業で兵器を作っている人。介護保険がスタート時ケアマネージャーへ転職した人。世界一周旅行後に父の会社を継ぐ為に長崎に戻ってきた人。転勤が多い銀行員、単身赴任で支店長。同級生のその後を聞いて、元気を貰いました。

マスコミの未来予想図ほどいい加減なものはありません。大水害や震災で方向性が変わることだってあるでしょう。要は自分が将来何をしたいか目標を決めて一途に努力するしかないんでしょうね。高校時代は想像すら出来なかった世界に30年後はいるかもしれませんが。18回生から現役北高生にエールを送ります。

18回生 鬼塚正成

 

2014年5月29日 (木)

アルコール依存症ではなく使用障害へ

アルコール依存症がアルコール使用障害へ、これは何か違和感を感じますが慣れないといけません。精神分裂病が統合失調症に変更されたように決まったことはそれとして今日からカルテ記載時に気を付けます。

 ■変わる主な病名や用語の一覧(日本精神神経学会による)

アルコール依存症         → アルコール使用障害

性同一性障害           → 性別違和

神経性無食欲症(拒食症)     → 神経性やせ症

解離性同一性障害(多重人格)   → 解離性同一症

注意欠如・多動性障害(ADHD) → 注意欠如・多動症

アスペルガー症候群、自閉症    → 自閉スペクトラム症

言語障害             → 言語症

 ■新しい病気

・カフェイン使用障害

・インターネットゲーム障害

心の病の名称や用語について、日本精神神経学会が新しい指針を作り、28日公表した。「アルコール依存症」を「アルコール使用障害」などに変更した。学会は今後、全国の診療現場で使うように呼びかける。

 国内でも広く使われている、米国精神医学会の診断手引「DSM―5」が昨年5月に改訂された。様々な訳語が出て混乱しないように、関連学会が共同で名称を検討した。

 「性同一性障害」は本人が実感として感じる「性別違和」。「神経性無食欲症」は食欲がないわけではなく、やせたいという願望があるので、「神経性やせ症」に変えた。子どもの時期に多い病気を中心に、「障害」という言葉を使うのを減らした。(桜井林太郎)

朝日新聞  2014年5月29日(木) 配信

2014年1月20日 (月)

脳外科でよく使う内服薬

当院採用の内服薬で脳外科でよく処方するを看護師さん向けに40分間で講義した1/15/2014分を総務の宮崎さんがyoutubeにアップしてくれました。ありがとうございます。当日勤務、都合で聴けなかった看護師さんの役に立ってくれたら幸いです。

http://www.youtube.com/watch?v=btf2A-ou9kI

Powered by Six Apart