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2018年9月

2018年9月17日 (月)

かたらんね 

当院の広報誌 かたらんねが2年半ぶりに復活しました。そこで院長挨拶として冒頭に書きました。https://www.nk-toku.jp/dl/cooperation/magazine/magazine_51.pdf

 私が最初に当院に来たのは長崎大学医学部6年生の春(1990年)でした。社会医学実習で救急医療をテーマに学んでいた時、長崎で救急医療をやっている病院はどこか?と教授に尋ねたところ、当院を紹介されました。5人で当院の救急外来を訪れたのですが、当時はシートベルト着用が義務化されていませんでしたから激しい交通外傷があり、脳神経外科の緊急開頭手術を見るという貴重な経験をしました。私が脳神経外科を専門にしようと考えたのはこの体験が大きかったと思います。救急の現場で特に脳外科医が格好よく私には見えたのでしょう。今でも医学部5年生が水曜日に救急車に同乗して当院に来た際は当時の自分がお世話になったことを思い出し、なるだけ丁寧に教えてあげるように心がけています。

しかし、私が医学生だった時から27年経過し、救急病院としての役割だけでは地域の中で生きていけない時代になりました。団塊の世代が75才、後期高齢者となる2025年を目途に、重度な要介護状態となっても住み慣れた地域(歩いて30分圏内、中学校区内)で自分らしい暮らしを最後まで続けることが出来るよう、住まい、医療、介護、予防、生活支援が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築を実現すべく、国の政策は動いています。当院では介護保険が施行される2000年より前、1990年代から訪問診療に乗り出し、訪問看護、介護部門の充実を図ってきました。入院患者を持たず、訪問診療を専属に行う内科医が2014年からは勤務しています。当院の老朽化に伴い、2020年長与町に新築移転をする予定ですが、この姿勢は当院が担当する医療圏が変更となっても変わりません。

認知症患者が増えていく社会の中で、常勤の心療内科医がいる救急病院である当院の果たす役割は今後も重要でしょう。当院は精神科関係の救急患者受容れは長崎市内で第1位であり、認知症患者が疾患を持って入院するケースは当たり前の時代になりました。もの忘れ外来を6月から当院で開設したのも時代のニーズ、需要が多く、認知症の疑いがある方を予約なしで受容れ、早期に診断、治療に繋げることが出来、ご家族の負担軽減の一助になれば幸いです。

その他、頭痛外来、便秘外来と専門外来を6月から次々に開き、地域の皆さんにとって気軽に受診出来る、敷居の低い病院であり続けたいと願っています。2025年を目標に、皆で頑張りましょう。

                             鬼塚正成

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