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2018年4月16日 (月)

新築移転を控える当院 長崎の未来予想図

2018年(平成30年)4月16日 月曜日 徳洲新聞 NO.1129

2020年に新築移転を控える当院
長崎の“未来予想図”描いていく
病院の活動を支える職員全員が貴重な財産

私は1965年、長崎市内の小売り酒屋の長男として生まれ、以来、長崎で育ちました。県立長崎北高等学校在学時、部活動の剣道の稽古が終わると、柔道部の主将で同級生のH君と、大学医学部受験など将来の夢をよく語り合いました。しかし、H君は受験勉強の途中で小腸にできた悪性腫瘍により闘病生活に入ります。卒業式は大学病院のベッドで迎え、私は医学部受験に失敗したことを彼に報告に行きました。そこでH君から「もう自分の命は長くない。代わりに良い医者になってくれ」とバトンを託されました。浪人中に彼の死を迎えましたが、親友の残した言葉は、ずっと私の胸のなかに生き続けています。

人口減少が進む日本で、医療従事者の確保は大切な課題です。当院の坂本紀子(のりこ)・看護部長の長男は当院に理学療法士として勤務しており、堀内芳夫(よしお)総長の次男は内科医で、週1回夕診と当直を手伝ってくれています。職員の子息が当院の医療を支えてくれることは大変喜ばしいことです。私は小学生の頃、腹痛で夜間に当院の前身病院に来院したり、大学生になって友人がけがをしたため連れてきたり、私の成長過程に当院が寄り添っていました。民間病院の良さ、地域に根差した病院の良さがあり、敷居が低いからでしょう。

情報の共有を院内で進める 院長室を会議室スタイルに

当院は閉鎖されていた病院を徳洲会が買い取り、1986年11月に108床の救急病院としてスタートしましたが、老朽化が進み、2020年、西彼杵郡(にしそのぎぐん)長与(ながよ)町に新築移転が決定。敷地面積は現在の2倍を超えます。新病院では人工透析を新たに導入し、健診部門にも注力します。

新病院になって施設というハード面がどんなに立派でも、ソフトである職員の質や勤労意欲が高くなければ、現病院から2㎞以上、北に離れた土地に移転する私たちは、勝負できないでしょう。当院のスタッフ全員がかけがえのない財産であり、目下、働き方改革を進めています。08年に院内保育所を併設。戦力である若いスタッフが入職後、定着してもらえるように子育て中でも働きやすいフレキシブルな勤務体系とし、女性だけでなく男性にも同様に対応し、労働条件の改善に努力しています。

14年11月に長崎市医師会に入会し、今まで以上に近隣の病院、施設と連携を取る必要が出ています。診療所や病院との間で、電子カルテを共有するプロジェクト「長崎あじさいネット」を長崎県が補助金を出し推進しており、当院も同ネットに加入、運用が今年度スタートします。

個人情報を守りながら、患者さんの情報を共有することで、私たちは、さまざまな診断・治療経過から学びを得ます。当院のみに患者さんを呼び込み、退院まで完結させるスタイルでは、今後、立ち行かなくなるでしょう。災害時にも連携が必要です。熊本地震の際、脳卒中ネットワークができている熊本では、MRI(磁気共鳴画像診断装置)が稼働しなくなった病院をカバーすべく、同ネットワークがすぐに機能したことを脳外科医の友人から聞きました。

情報の共有は院外だけではなく、院内でも重要です。院内で発生した問題をすぐに関係部署に報告、相談し、院内で情報を共有し、問題解決を図るという当たり前のことを実践していく――これが意外に難しいのです。そこで、最初の報告・相談をしやすい環境をつくるため、院長室の内装を変え、会議室スタイルにし、職員が気軽に入って来られるように開放しています。

『医療経営士中級テキスト』などで学び地道に経営改革

24年間、院長として勤務された堀内先生が総長となられ、私が4月に院長に就任。残念ながら私が入職後、初めて昨年末からの3カ月間、赤字を計上しました。しかし、副院長として3年間、徳洲会医療経営戦略セミナーで学んだこと、『医療経営士中級テキスト』で現在学んでいることを実践する機会を得ることができ、整形外科医の確保という課題を抱えながら職員の雇用を維持し、地道な経営改革に励んでいきます。8時会で前日の業務報告を聞き、問題点を共有、即時に判断が必要な場合はその場で解決策を出します。

院長就任の挨拶回りをしている最中ですが、近隣の施設への営業活動も時間の合間をみて継続します。自身の健康管理に気を付けながら、道半ばにして夢の途中で倒れないように、長崎の未来予想図を描いていきます。

皆で頑張りましょう。

https://www.tokushukai.or.jp/media/newspaper/1129/chokugen.php

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