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2012年2月

2012年2月29日 (水)

由布物忘れネットワーク

 副会長である大分大学医学部総合診療部 吉岩あおい先生の話を道ノ尾病院で昨夕に拝聴しました。私が大学を卒業した時、日本ではアルツハイマー型よりも脳血管性痴呆(その当時は痴呆)が多いと学んだのですが、今は外来で診る認知症患者さんの約半数がアルツハイマーであるし、タイプが大きく4つに分かれています。アバン、カランという薬は効果ないことが分かり、アリセプト、メマリーという薬が使えるようになりましたが、最初に診るかかりつけ医は認知症と分かっても次のステップで右往左往となりがちです。ネットワークを作って最初は大学病院に紹介して正しい診断となっていたそうですが、2か月に1回の勉強会を大学病院の専門医と開業医、介護スタッフが参加するようになって大学への紹介はほとんどなくなってきたそうです。地域医療レベルの底上げが出来たんですね、素晴らしいです。http://orangedoctor.net/kaityo.html

2012年2月26日 (日)

医療相談はネット上では受けません

Facebookやブログで知り合いになって会ってもいない方から医療相談をメッセージで受けますが残念ながらお答えできません。私は、働くのは自分の病院だけにしたいと考えています。脳外科ですから夜間でも急患の問い合わせを受けています。ネットに触れている時間帯はリラックスしたい時間帯です。
また専門分野でも不用意なことを書きますと文書として残ってしまいます。その地域で頑張っている医師の判断に診たこともない医師がコメントすることは失礼です。文書が出回ったりすると、私個人が損害を被ります。 
ただし、勤務する病院に直接相談に来られる場合、受付で空いている時間帯を聞いてもらい来院される場合、診療として相談に応じることは全く問題ございません。

私の専門外の件に関しましては今まで通り、お断りしています。舌足らずでご気分を害した方もいらっしゃると思いまして敢えて書きました。ご理解頂いて、有意義で楽しいネットの時間帯がとれれば幸いです。

2012年2月25日 (土)

愛情こもった妻の口腔内吸引@在宅

人工呼吸器をつけた状態で在宅医療を開始したお宅にお邪魔しました。開業医2人にバトンタッチしましたが、入院中私が主治医の際、病棟の看護師さんから奥さんに教えるように指導、見よう見まねで始めたはずですが、今までこれほど愛情のこもった吸引を私は見たことがありませんでした。家に帰すって、これだけでも素晴らしいですね。

<口腔内吸引シミュレーション>

http://www.jichi.ac.jp/msc/2010/02/kangobu-syunin-kensyuu/dsc_0351/

2012年2月23日 (木)

老衰死 金丸 仁 先生

老衰死

藤枝市立総合病院 臨床検査科長 金丸 仁

Doctor’s Opinion Doctor’s Magazine Feb 2012より

癌の治療に関する講演をしたときに、こんな質問をしたことがあります。

「長生きしたい人」大部分の人が手を挙げました。「ではどんな状態になっても長生きしたい人」手を挙げる人はほとんどいません。そこで次の質問です。

「人間は必ず死にます。ではどんな病気で死にたいですか。まず、癌で死にたい人」ほとんど手が挙がりません。「それでは何の病気で死にたいですか」誰も答えられません。

「では病気がいやならば、自殺、他殺、それとも不慮の事故死なんかがいいのでしょうか」こうなるとみんなの頭は混乱してきます。

 普段からこのようなことを考えている人はまずいないということですが、この受け答えから考えられるのは、死ぬのはいやだが、どんなふうになっても生きているなどとは望まない。そして死ぬとしたら病気もいやだし、事故などで死ぬのもいやだということです。そんな虫のいい話があるのでしょうか。実は老衰という死に方があるのです。老衰死を提示すれば、おそらくほぼすべての人が手を挙げたことでしょう。

 ところが日本の今の医療は、この老衰で亡くなることをさせないようにしているとしか思えません。それは医療者だけでなく日本人全体の責任であると思います。私は外科医ですが、毎週1回内科も含めた救急の外来も受け持っています。ここには本来の急患だけでなく、介護施設などから、最近食事が食べられなくなったという寝たきりの老人が救急車で運ばれてくることがよくあります。年齢が90歳を超えていたりすればそれは老衰と判断すればいいのでしょうが、食べられないと死んでしまうという理由でつれてこられるのです。担当の医師も心配だから病院に行ってみてもらいなさいと言ってしまうのです。そこには看取りの発想がありません。その結果、こういう老人に胃瘻を作ってしまうことになるのです。

 寝たきりで自分の意思表示もできない老人に胃瘻を作ることは私には理解できません。胃瘻から流動食を流すことはかえって誤嚥性肺炎の機会を増加させ、せっかく老衰という理想の形になるはずのところが、肺炎をはじめとした病気による死亡を作り出すことになるのです。

 「『平穏死』のすすめ」という本を書かれた蘆花ホームの石飛幸三先生は、胃瘻の弊害を家族のみならず職員にも説明し、を作らないで、介護施設の中で看取るということを実践しておられます。人生の終末期についてよく考えられた結果ですが、多くの病院の医師は、胃瘻に限らず医療を施すことの無益さについて家族に説明できる信念もないし、できることはなんでもしてくださいと言われればそうするほうが面倒もないという消極的理由で、無益(と私は考える)な医療が行えるのです。

 このような患者さんは内科にお願いするのが普通ですが、自分が救急で当たったときは、主治医として外科病棟に入院させることがあります。救急外来では十分な話ができないので、入院してゆっくりと家族を説得するためです。大切なのは無駄な栄養補給ではなく、最期をみんなで看取ってあげることだということを。死を認めるのは医療の敗北ではありません。命の長さだけが大切なのではないことは、助けられる命は助ける技術をもっている自信があれば、説得可能でしょう。

 私は最近、癌の末期医療をモチーフとした「外科医高倉了治の誠実な殺人」というタイトルの小説を書きましたが、老人の末期医療もテーマになっています。具体的に言えば、延命治療の中止をどのように考えるかということです。あえて小説の形にしたのは、この問題は医療者のみならず一般の人にわかってもらう必要があるからでした。

 癌については、緩和医療が普及し、東海大学事件依頼、法的にもある程度の指針はありますが、老人の延命治療中止にはまったくコンセンサスがありません。食べられなくなればそれが人生の終わりというコンセンサスの国もあると聞きます。日本でも昔は家で家族井の死を看取ることができましたが、今は、病院に入れて何かの病気で亡くならせるしかできなくなってしまったのです。

 病気や事故ではなく老衰で亡くなることは、多くの人が望むことであり、医療費の点からも日本の医療をよくするひとつの方策だと考えます。私自身は老衰になるさらに前に、早めに逝きたいとは思っています。

~今日、先輩医師から勧められて読みましたが、外科医としての長年の経験からよく考えられた文章です。医師は誰でも同じようなことを考えているのだけれど現実は違うベクトルに向かってしまうジレンマがあり、日々悩んでいます。

2012年2月19日 (日)

K1リングDr

K1の思い出

大学の同級、新井君の推薦でリングDrを務めた2000年長崎大会。K1としての興業はストップしてしまいましたが、アンディフグ、マイクべルナルドと一世を風靡した人気ファイターが亡くなると思いだします。ノブハヤシ選手が試合中に左上眼瞼が裂けて私がリングに入り、中山先生がドクターストップをかけました。もう一度、全盛期のK1をみてみたいです。2000.1.25 K-1 RISING 2000」観客 6100http://www.boutreview.com/report/k1/00/0125/index.html 場所: 長崎県立総合体育館

マイアミの青い空K1リングDr

http://blog.livedoor.jp/onizukam/archives/396874.html

左心耳縫縮術

<記者から手術は成功したかに対して>
会見で天野教授は「成功かどうかの判断は、陛下が術前に希望された公務、日常の生活を取り戻される時期。国民の皆様もそのときを楽しみにしてほしい」と今後も慎重に治療を続けることを強調した。

下手に成功とか言って、術後合併症が出たり、公務につくにはちょっと体力が戻らなかったりするとマスコミから叩かれますし。外科医からすると好感が持てる応答でした
http://www.bestcaretokyo.jp/interview04.html
そしてもう一つ、脳卒中専門医から診ると興味深い発言がコレ↓

術中に不整脈が出たため、措置をしたのか。  

天野教授「手術前の心電図でその懸念はあり、陛下のご年齢を考えると不整脈が出やすい状況はあった。術中の異変については対応することを事前に決めていた」  

「バイパス手術後はかなりの頻度で術後心房細動が起こり、ある一定の時間続くと電気的除細動も必要になる。その懸念を払拭するということも、陛下と皇后さまに事前にお話しし、必要であればすることになっていた」

 「措置は心臓の一部を縛る『左心耳縫縮(さしんじほうしゅく)』を行った。心原性の血栓による脳梗塞の90%がそこでできる血栓と言われ、下地を取り除くことで心原性脳塞栓を防ぐということだ。事前に決めていた条件がそろったのでそれを行った」

2012年2月 1日 (水)

在宅看取り専門Dr

私と同級生で在宅での看取り率(在宅で診て最後家で亡くなる)85%、在宅ターミナルケアを中心とした活動を専門にしているDrがいます。長崎宝在宅医療クリニック 院長 松尾誠司 先生。医学部学生向けに書いた内容で興味ある内容でした。同級生が頑張っている姿をみると励まされます。

ホスピスが足りない現状では松尾先生のように在宅で看取りをしてくれる医師の存在は欠かせません。
http://www.mh.nagasaki-u.ac.jp/career/pdf/news.pdf

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