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2011年5月

2011年5月24日 (火)

死因究明制度の在り方について 橋本 岳

「犯罪死の見逃し防止に資する死因究明制度の在り方について」について
前衆議院議員・自由民主党岡山県第四選挙区支部長
橋本 岳
2011
523日 MRIC by 医療ガバナンス学会 発行  
http://medg.jp
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さる428日、警察庁が設置した「犯罪死の見逃し防止に資する死因究明制度の在り方に関する研究会」が報告書を発表した。つど疎漏が指摘される現行の死因究明制度の議論に制度を現実に運用している政府側から一石を投ずるものであり、その検討自体は評価できる。しかし、医療関係者にとって一時期話題となった診療関連死に関する観点などからすると、このまま検討が進むのは医療関係者にとり問題を多々残すことになりかねないことを危惧する。
そこで、提案の概要や私なりに課題と感ずる点を整理し、議論提起としたい。

1.
はじめに
まず、今回の報告書において、犯罪死の見逃しがあったと警察が認め、そこから議論をスタートさせたことは、素直に評価したい。絶対に誤謬を認めないのは官僚の習い、ましてや司法分野においてをや。しかし、時津風部屋事件や保険金連続殺人事件、おまけに検察による証拠捏造による冤罪まであった中、さすがに立ち位置を変えざるを得なかったのだろう。もちろん福島県立大野病院事件のように結果からすれば誤認逮捕だった例もあるわけで、司法の間違いは「見逃し」のみならず「冤罪」もあり得ることは忘れてはならず、本来は両方のバランスが求められる。
しかしその点を留保してもなお、警察庁の研究会が、過去警察の捜査に過ちがあったことを認めたことは評価すべきだろう。

2.
提言の概要
今回の報告書では、「法医解剖制度の創設」および「法医学研究所の設置」が提言の大きな二本柱といえる。
法医解剖制度とは、検視等を行っても特定の犯罪の嫌疑があるとは認められないが、だからといって犯罪でないとも言い切れない死体について、警察署長が法医学研究所の長と協議の上解剖の要否を決定し、遺族の承諾を得なくても国の費用負担により解剖を実施できる新たな制度である。これにより、全国の解剖率を当面5年で20%(監察医務院がある東京23区並み)に、将来的には50%(国際的な水準)に引き上げることを目標とするとのことだ。そして、その制度の受け皿となり実際に解剖を行う専門機関として新設を提言されているのが、法医学研究所だ。将来的には都道府県ごとに国の機関としての設置が望ましいとされているが、即刻の実現は事実上不可能なので東京都監察医務院や大学法医学教室を指定し、機能を併せ持たせることが当面の方向性だ。目的を「犯罪死の見逃し防止と公衆衛生の向上」とすることで、警察庁と厚生労働省の共管が妥当ともされている。なおこの二本柱以外には、解剖医の体制強化(大学定員増加、奨学金制度等)、薬毒物検査の拡充(体制整備、試料の保管等)、検視等における法医学的検査の導入(簡易役毒物検査
CT検査)、検案の高度化(専門検案医制度の創設、費用負担の公費負担等)、身元確認の高度化(歯科所見・DNA型データベース構築等)、検視・死体見分の高度化(検視官の増員等)、初動捜査力の向上などが提言されている。

3.
議論のポイント
1)
警察の恣意的制度運用の可能性がないか?

警察庁の検討会ゆえ警察視点なのはハナから致し方ないことである。
しかし大きなポイントゆえ指摘せざるを得ない。この報告書の最大の問題は「警察取り扱いの死体以外の死因究明は考慮されていない」ことだ。警察が見ない死体は、当然今回の制度では公費強制解剖の対象とならず、その前の法医学的検査の対象ともならない。よって、人の亡くなり方に誰かが不審を抱けばまず警察が来るという社会となる。医師法21条も生きている。一時期大きな話題となり、今はどうも関心が下火になった模様の診療関連死についても、少しでも不審なところがあると誰かが思い死因究明が求められれば、すぐ110番だ。もちろん警察が公平無謬で世間の信頼篤くかつ情報公開に超積極的ならば、多分誰も文句は言わないだろう。そして本提言が全て実現すれば現状よりは誤謬は減るかもしれない。しかし最初に触れた通りいくつもの事例にもとづき本研究会は警察の誤謬を認めるところからスタートしていることを思い出してほしい。そして警察の誤謬は「見逃し」だけではないのだ。解剖の実施にあたり、警察署長と法医学研究所が協議することになっており専門家と相談する形式を整えているが、警察と法医学は同じ目的を共有しているため相互チェックの対象とはなりえない。残念ながら、警察による恣意的制度運用を防げない制度的構図であると言わざるを得ないだろう。

2)
監察医制度の全国展開の方が望ましいのではないか?

法医解剖制度は、監察医制度とは別に制度化されることとなっている。明記されてはいないが、公衆衛生目的の制度と犯罪見逃し防止の制度と目的の違う制度がともに同じ手続きで死因究明をすることになる。相互に相互の目的を果たすこともあると報告書内にも記してあり、地域的に相互補完するイメージのように思える。というか、警察庁の研究会ゆえ、他省の制度を無くしてしまえとか不要だとか書くのはさすがに遠慮したのだろうというのは、筆者のうがった見方なのかもしれない。
その割に、先に記したように目的を二本立てすることで警察庁・厚労省との共管としている。何故だろうか。検案料は公費負担が望ましいと提言しながら、関係省庁間の経費分担の在り方については「検案の目的が犯罪死の見逃し防止に留まらず、医師による死因の特定にあることを考慮して検討することが必要」となっている。要するに、警察単独では費用負担はしたくないので厚労省さんヨロシク、と書いてあるのだ。
だとすれば、むしろ厚労省による監察医制度の全国展開の方が望ましいのではないか。その方が、死因究明に関する警察活動への第三者としてのチェック機能が働き、警察の信頼性向上に寄与する筈だ。

3)
目標通りの解剖医体制の強化は可能か?

提言によると、当面(5年以内)に解剖医を現状の2倍の340人、将来的には5倍にあたる約850人の解剖医を必要することになる。
当然ながら解剖医だけで解剖はできないので、目指す体制を作るには相当の資源投入が求められるだろう。果たして具体的に実現が可能なのか。絵に描いたモチではないか。もちろん、現状のままでは法医学教室の体制が危ういことは自明であり、テコ入れが必要だと考えている。それゆえにいささか大胆な目標設定に対し、いささか実現性が危惧される。上記の計算ではさっぱり忘れられているが、社会の高齢化に伴い今後毎年死者数は激増していく。そのことも考慮しなければならない。
結果として体制が整わないまま法医解剖の制度のみ創設されてしまえば、結局法医研究室のキャパシティの中で警察の恣意的制度運用の可能性が広がる。これでは現状とさして変わらず提言の意味がないのだ。
 
4)
死後画像検査ではなくAi(死亡時画像診断)とすべきでは?

簡易薬毒物検査および死後画像検査等について、法的に死体に対する侵襲行為の正当性を法的に明確にした上で(要は死体損壊罪にならないように法改正をするということ。画像検査は侵襲はゼロだが)、遺族承諾なしに行うことができるよう所要の法令の整備を提言している。これだけでも実はかなり画期的であるし、強制解剖制度の拡大と比較すると実現性も高いと思われる。
周辺捜査結果等とともに死後画像検査が解剖の要否を判断するものと位置づけられたことも、誠に意義深い。
さて、死体のCT撮影についてならば厚労省も検討会を行っている。タイトルは「死因究明に資する死亡時画像診断の活用に関する検討会」だ。「死後画像検査」と「死亡時画像診断」の微妙な違いに、それぞれの立場の違いが現れている。厚労省は医師による独立した「診断」であることが明示されているのだ。この違いは、撮影後の読影を誰が行うのか、その費用負担まで行われるかというのがポイントとなる。法医学者と放射線科医と、どちらがCT画像を読むのがより正確なのだろうか?それは自明のことだ。そして専門家の仕事には適切な報酬が求められるのも当然だ。生きている人の読影料が診療報酬の中に認められているのであれば、亡くなっている方の読影料も死因究明のための費用として認められて然るべきである。もちろんその所見を元に犯罪性の有無の判断を行うのは、その道の専門家が行えば良い。「診断」と位置づけられず、もちろん
読影料についても明記されておらず、ただの検査止まりとされれば、場合によっては医師や医療機関のタダ働きにもなりかねない。

なお、この報告書では12行に及ぶ長大な注釈によりCT検査のみでは死因の判断に誤りを生ずる可能性がわざわざ書いてある。書くのならば、解剖における死因判断の誤りを生じる可能性と並べて書いていただかなければ、公平な評価はできない。どうもこの注釈は誰か委員のウップン晴らしといった感情的な目的のためにあるように思える。

4.
提言
「死因究明」そのものを目的とする議論をすべき

そもそも死因究明制度の在り方について、「犯罪死の見逃しのため」とか「公衆衛生維持のため」といった公益的でありつつ同時に悪く言えば省庁縦割り的な目的を前提として検討を行うことが、諸悪の根源である。「死因究明」それ自体に、なぜ国家が責任を持たないのだ
ろうか?自分の大切な人が、あるいは我が国に住む人々が何故亡くなったかを明らかにし後世に活かすこと自体、大きく公益に資することではないかと筆者は考える。その結果として自然に犯罪死の見逃しが発見できたり、公衆衛生の維持に貢献すれば、よりめでたいこと
だ。「診療関連死の取り扱い」や「異状死の定義」といった特定分野の議論で話が詰まることもなくなる。とにかく一度皆死因究明の手続きを踏むことにすれば、その結果を見て最終的な事件性の有無を判断し、再発防止に何をすればよいか検討すればよい。
人間一人の死に対して、見たところ何も無さそうだから多分大丈夫だろう(何が?)という生者の驕った考えをベースにしているとしか思えない現行制度の思想的存立基盤こそまず修正するべきだ。一人ひとりの死に常に向き合い、何かを学ぼうとする姿勢を持つことが真に「弔う」ということではないのか。なぜ死因究明が、外交・防衛や治安維持、そして医療・介護等の社会保障と並び、国民の安全保障の一環として位置付けられていないのか。まず議論の出発点を見直すべきだし、一省庁ではなくそれに相応しい主体による議論が必要だ。

○Ai
を前提とした制度とすべき

上記の通り、解剖前提の制度は現時点で既に規模的に間に合っておらず、将来的にも充足への具体的な道筋は明らかではない。そうであれば、実は先に記した監察医制度の全国展開という提言自体も実は絵に描いた餅である。だとすれば、本報告書でも遠回りに示唆されている通り、Ai(死亡時画像診断)を前提とし、必要に応じて解剖を行って死因究明を行う制度とすることが現実的なのではないか。警察は必要に応じてAi実施組織から死体に関する情報を得、また協議を行って司法解剖等の実施を行うこととすれば、第三者のチェックを得ながらより誤謬の少ない活動を行うことができるようになるだろう。

警察から独立したAiセンターの設置・拡充をまず検討すべきである。既に全国にAiセンターの実例があるのだから、いま全く存在しないものを創ろうとするよりも容易なはずだ。

5.
おわりに

先のように批判を並べたが、この報告書の中でも「検視・死体見分の高度化」の項目など、日々死体と向き合う現場の方々の大変な状況がほの見える部分がある。p.26の「現在、全国に65台整備されている死体専用の搬送車及び802台整備されている死体保冷車(うち約500台は減耗更新時期経過)について、拡充を図ることが望ましい」のくだりなど涙ぐましい記述を読むと、現場の「なんとかしてくれ!!」という悲鳴が聞こえてきそうな気分になる(なんとかしてあげてよ!財務省さん!!)。全てを否定する気は毛頭ないし、よりよい制度の構築および現場の方の能力向上に資する項目は、ぜひ実現すべきだ。

また先に発生した東日本大震災においては、医療関係者や自衛隊の活動がクローズアップされがちだが、被災地では全国の警察官の方々も全力で黙々とご遺体の捜索活動にあたっておられた。現場の方々の献身的な活動には心から敬意と感謝を表したい。だからこそ、医療との適切な関係が構築され、より信頼される医療とより信頼される警察を、それぞれ目指してほしいと切に願う。そのためにこの小文が多少なりとも役に立つことを祈って、筆を擱くこととする。

編集部より:
「犯罪死の見逃し防止に資する死因究明制度の在り方に関する研究会」報告書pdfは当会
HP(http://www.medg.jp/)
に掲載いたします。

橋本 岳 先生には来期は是非国会議員に返り咲いて貰いたいと強く思います。

2011年5月10日 (火)

津波のあった場所には原則建物禁止でも

マイアミに居る頃、一緒に剣道をしていた仲間が岩手に戻り被災しました。彼のブログが更新されています。仮設住宅に移住出来た方の仮でも生活が出来たことは喜ばしいのですが、津波のあったところでリフォームして住みますか~うん、これは微妙です。

おかげさまで、市内の様子も大分落ち着いてきました。公園や広場には次々に仮設住宅が設けられ、順次、津波で家を失った人たちが入居しています。避難所から仕事や学校に通っていた人たちも、仮の住まいが出来て胸をなでおろしています。
 
100円ショップの生活用品、オフィス用品が品薄になっていることからも、被災者たちの生活が次の段階に移ったことをうかがわせます。県では「津波の被害を受けた場所では、新たに建物を建てることを原則禁止」としていますが、市町村・自治体の判断に任せるということになりました。 それを受け、市では「禁止・強制はしませんが、お願いですからなるべく新築はしないでください」との決定でした。思い入れのある家を修繕して住みたいという人たちには朗報です。
  
ここから離れた某市の建設会社の若頭は「うちでも被災地に2人づつ送り込んでるんだけどね。
そろそろこっちが被災しそうだよ。」と言っていました。「せめて飯代でも出ればいいんだけどね。」と言うことを聞くと、ほとんど自腹で被災地の支援に行っているようです。

http://rednetwork.exblog.jp/12546172/

2011年5月 9日 (月)

仮設診療所よりもシャトルバスが有効では?

厚生労働省は8日、東日本大震災で甚大な被害を受けた岩手、宮城、福島の3県に建設する仮設住宅群すべてに原則、仮設の診療所を整備する方針を固めた。診療に当たる医師や看護師らも被災地だけでは足りないことから、日本医師会などに中・長期の派遣を要請。常時、千人程度の応援を送り込む。

 震災で被災地の地域医療は大きな被害を受けた。もともと医療過疎地だっただけに再建には数年以上かかるとみられ、仮設診療所での医療支援で「空白を埋める」(厚労省幹部)のが狙いだ。

 避難生活の長期化で、避難所では体調を崩す高齢者が増加、深夜に肺炎などで救急搬送される例も少なくない。仮設診療所では風邪から高血圧症の治療など地域の診療所で受けられるような初期医療を提供、感染症予防にも当たる計画だ。

 阪神大震災の際も十数カ所で仮設診療所が設けられたが、地域医療が徐々に回復したため、医療支援は医師や保健師の巡回が中心だった。

 厚労省では、近くに病院や診療所があるケース以外は、仮設住宅群に診療所を設置。近所に診療所があっても大規模な仮設住宅群には診療所を設け、すべての入居者が診療を受けられるようにする。

 厚労省は第1次補正予算で被災地への仮設診療所約30カ所の建設費として約10億円を計上したが、避難所周辺への設置が中心で、仮設住宅への本格的な整備は第2次補正予算からになる見通し。

 被災3県には5月2日現在で日本医師会の災害医療チーム(JMAT)や日本赤十字社の応援医師、看護師、保健師ら約1100人が展開。厚労省では「今後数年は現在の応援人員ぐらいは必要」としている。

http://www.47news.jp/CN/201105/CN2011050801000644.html

頼まれた医師会も大変でしょう。派遣できるのは勤務医ですから常時送り込まないといけない病院も大変です。拠点病院に集中して各避難所を巡回バス、シャトルバスで病院と繋げる方が現実的で有効だと思います。診療所で出きる診療は限られていますし、仮設住宅が無くなれば消滅する診療所に金と人をかけるのはいかがなものでしょうか。東北3県は医療過疎地であったことを考慮すると、厚生労働省の案は過剰なサービスを提供してしまい引くに引けなくなる状況を今後起こすのではないかと危惧します。

2011年5月 6日 (金)

No more 福島

津波14mを想定して今まで対策は立ててこなかった訳ですから原発と言っても現在日本では福島だけではなく、女川、玄海、日本中の原発のか問題になった感があります。単に原発反対と言っても原発のある地域は、それだけで税金が入り、雇用が生まれています。福島もそうであったはずですが、事故があれば東電の地域への貢献うんぬんは議論すらされません、そらそうなるでしょう。

当面は必要で維持されるべきものと私個人は考えますが、維持させる方法が大切なんでしょうね。津波5.7mを想定して海抜10mの位置に建設した福島の後を追うようなことがないようにNo more福島!
しかし311日まではNo more広島、長崎だったんですよね、この国は。

仙台駅から東北新幹線で福島を通り過ぎる時、ふと上記のことを考えていました。現在、長崎。

雇用を守る、雇用を生む

http://cgi2.nhk.or.jp/nw9/pickup/index.cgi?date=110428_1

このニュース後半に気仙沼復興協会の取り組みが紹介されています。前半では大船渡市で印刷業を営む経営者のケースで国の助成を受けることができない中小企業の苦悩が伝わります。被災前の仕事が1/10にもかかわらず4人の従業員を雇って頑張っている社長さんに頭が下がります。

養殖業を営み被災した村上さんの場合、自営業ですから失業給付が受けれません。NPOの活動で日当でも稼ぐことから始まって、いつかは気仙沼で養殖が出来る日が来ることを願っています。NPO法人気仙沼復興協会の会長、守屋守武さんの熱い気持ちが伝わってきます。頑張れ気仙沼!

九州の西端に住む私には何もできません。ただ東北から帰り、増税やむなしという気になっているのは確かです。税金が東北被災地で雇用を生むことに繋がるのであれば誰も文句は言わないはずです。

私は気仙沼市階上中学校で2つのことを学びました。被災前から津波を想定した訓練を中学生の頃から積んでおくことの重要性、守屋さんのような住民の立場を考えた明るいキャラクターを持つリーダーの必要性です。地域のリーダーは今から養成しておく必要があります。4月の県議、市議選で私の出身地、長崎市橋口町から45歳、42歳の若い県議、市議が生まれました。彼等と一緒にリーダーシップをとって日頃から地域密着型の活動をしていこうと誓っています。これがいつか役に立つ時が来るでしょう。

2011年5月 5日 (木)

ボランティアになりすました悪党

瓦礫の中から財布を見つけました。中をみると財布から札はなく小銭入れには1円玉だけ。保険証や免許証はなく、クレジットカード、住所と名前が書いてある名刺が入っていました。警察に届けるよう事務方にお願いしました。
ボランティアと名乗って瓦礫を探している連中、避難所に入り込んでいる連中がいることは聞いていましたが、実際、その残骸を見せられたようで残念です。家族に遺品として届くのでしょうか?家族がどう思うか?複雑な心境です。
遠方から来てもレンタカーを現地調達して宮城、岩手、福島ナンバーで津波のあった地域へ向かい、マスクはめて瓦礫の中を検索していても怪しいとは思えないでしょう。警察もそこまで手が回らないでしょう。いつでも、どこでも困った連中は居るものです。日本人は冷静で礼儀正しいイメージを海外に配信しているのでFacebookでは時々海外の友人からのリクエストで英訳もするのですが、この話題だけは邦文のみとします。

2011年5月 4日 (水)

気仙沼復興協会~階上(はしがみ)中学避難所生活から自立への道~

気仙沼市本吉病院、保育所、中学校、南三陸アリーナ、東松島を回り、撤退後のご挨拶を兼ねて本部の方と一緒に視察をさせて頂きました。階上(はしがみ)中学が最も印象深く、素直に感動しました。この中学では震災前から津波のシミュレーションを行ない、電気がない状態での生活、飯盒でご飯を炊くことから教えていました。被災直後から中学生が率先して動いたそうです。

階上(はしがみ)中学校答辞  http://www.youtube.com/watch?v=b7hNLmzcIHk&feature=youtu.be

避難所対策本部長守屋(もりや)守武市議がリーダーとなり気仙沼復興協会を立ち上げ、同市出身の大学院生が半年間休んで手伝っています。守屋さんは視察に訪れる国会議員に直接党派に関係なく働き、失業した避難所住民に瓦礫の撤去作業で一日8千円の日当、腐敗した海産物処理も地元の被災民を使う、指揮をとっています。失業保険に頼らず自活の道を歩もうとする市議の熱弁に二宮尊徳の話を思い出しました。http://twitter.com/#!/SaitoM

被災地出身のデザイナーが作ったオリジナルの一枚2000円鯉のぼりをネットで買ってもらい、購入者のメッセージをつけて収入とし(一枚300円のコスト)、自分達で稼ぐ、勤労する意義を説いています。失業保険に頼ると自活できなる怖さを守屋市議が訴えていらっしゃいました。http://www3.nhk.or.jp/news/html/20110503/k10015687531000.html

支援金、物資の時代から雇用を作る時期になっており、我々は税金を今までよりも多めに出す痛みを分かち合って被災民の方々に働く機会を提供する、これが最も大切なことなんですね。

民間ハローワークが始動 震災失業者に職あっせん

2011.4.28 22:01

 東日本大震災で職を失った市民に雇用をつくり出そうと、宮城県気仙沼市で28日、「民間ハローワーク」の業務を担う「気仙沼復興協会」を市民らが設立、がれき撤去などの仕事のあっせんを開始した。市が、国の緊急雇用創出制度を利用して協会に850万円の事業費を委託。協会は、がれき撤去や清掃、被災した高齢者の支援など、主に復興に関わる業務をあっせんする。本業への復帰を見越して、臨時の日雇いの形式とし、賃金は協会が支払う。

 既に約80人が仮登録しており、停電で腐敗した水産加工品の海洋投棄などに従事している。京都府と兵庫県尼崎市からは、作業着や安全靴が贈られたという。協会会長の守屋守武市議は「民間がやることで、地域のあらゆる分野から仕事を見つけ、多くの人が働ける環境をつくりたい。復興の第一歩になるはず」と期待する。>

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110428/dst11042822010029-n1.htm

問題なのはマスコミでよく取り上げられる南三陸アリーナ周辺かもしれません。町長がマスコミに出て天皇陛下はヘリで降り立つ、イスラエル軍が置いていった仮設診療所があって注目され、支援物資が集中しています。しかし、ここは山、丘に乏しく、復興の青写真が最も見えません。ここに集中し過ぎて物資、サービスが届かない地域があります。米軍の凄いところはヘリからそういう地域に支援物資を落していきます。マスコミは皆が行かない所へも足を向けて取材して欲しいものです。

二宮尊徳の荒地開墾 (要約)

尊徳は,小田原藩主から荒れ地の再興を頼まれますが何回も断ります。断りきれないと分かると,自ら荒れ地に出向いて数か月間,荒れ地の村民と過ごし,土質,排水,設備,そして村民の日常生活,態度まで調べあげます。そして,次のように言います。

「仁術を施せば豊かな暮らしに戻すことができます。そのためには,藩主は金銭を貸し付けないでください。税を免除しないでください。金銭的援助は断ち切るのです。金銭的援助は貪欲と怠惰,そして争いを引き起こします。荒れ地は荒れ地自身が持つ力によって開発されなければならず,貧困は自力で立ち直らせなくてはなりません。ただし,藩主は一定量だけ年貢として納めさせ,それ以上は求めないでください。村民の生活に一定割合を使わせ,余った分は残りの耕地を開墾する資金として使わせてください。それが私の言う仁術です。自分自身の努力,慈愛,勤勉,自助で生活が徐々に向上することを知れば,10年で見違えるように再興できます。」

NHKニュースより

全国各地から寄せられた復興への応援メッセージが書かれた220匹余りのこいのぼりが、震災で大きな被害を受けた宮城県気仙沼市の避難所に飾られました。こいのぼりは、気仙沼市出身で川崎市に住むデザイナーの畠山雅枝さんがデザインしたものにインターネットでの呼びかけに応じた全国の人が応援のメッセージを書き込みました。

3日は270人余りが避難生活をしている気仙沼市の階上中学校で、避難所の人たちも参加して、こいのぼりをロープに結びつけて空に泳がせました。こいのぼりには「がんばろう」や「気仙沼の魚を食べたい」などと書かれ、中には鹿児島県の種子島の小学生たちが書き込んだものもありました。色とりどりのこいのぼりは風を受け、ゆったりと被災地の空を泳いでいました。

こいのぼりを見に来た近くの中学3年生の女の子は、「メッセージを見て元気をもらいました。私も気仙沼の復興のためにボランティアで手伝おうと思うようになりました」と話していました。

主催した畠山さんは高校卒業まで魚市場の近くに住んでいたということで、「全国の皆さんが気仙沼のことを真剣に考えてくれていると感じ、とても感動しました。私の実家も被災しましたが、これから復興に向けて気仙沼のためにできることをしていきたい」と話していました。

2011年5月 1日 (日)

仙台ERから本吉病院、階上中学へ

今朝時に仙台へつくとTMATジャンバーを渡され、千葉と大阪から来た医師と引継ぎ、今日は外科系ER当直医一名で明日朝まで。これにて仙台ERへの医師派遣終了。明日から南三陸、気仙沼と支援終了まで。仙台経由、東京、横浜にて学会半日参加予定。午前中に2名搬送、2名ともアルコール依存がベースにあります。被災者だけでなく支援にきたボランティアにも依存者が、、、送り出す側はアルコール依存者であることを知らなかったんでしょうか。

午後は上部消化官出血、大腿骨頚部骨折、脳腫瘍、脳血栓症、頸椎症神経根症と入院しそうな患者が確実に救急車で来ます。院長先生から私が最後の応援医師で感謝の言葉を頂戴しました。軽症で入院が不要な患者さんが多いのかと思っていましたが、予想を裏切ってました。翌日からは南三陸~気仙沼まで向かいます。

5月2日気仙沼市本吉病院にて書いています。本吉地区は気仙沼に合併されるまで本吉町立病院だったらしく、常勤医師がいなくなった病院として有名になりました。先程まで近くの居酒屋で飲んでいると本吉の鈑金業者から差し入れを頂きました。交替で医師を回していますが、ここに就職を真剣に考えている方も現れています。残ったスタッフ、町民の熱意、辛抱強さを感じます。

そして階上中学避難所対策本部長さ守屋市議と熱く語り合いました。彼は国会議員に直接党派に関係なく御願いし、失業した避難所住民に瓦礫の撤去作業で一日8千円の日当、腐敗した海産物処理も地元の被災民を使う、指揮をとっています。失業保険に頼らず自活の道を歩もうとする市議の熱弁に目頭が熱くなりました。

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