« 若い方の脳出血 | メイン | iPadに病院から画像転送 »

2010年10月24日 (日)

tPAをなぜ使用しなかったのか?

 tPAの適応があるのになぜ使わなかったのか?家族からの質問をよく聞きます。tPAを使用できる病院でも夜間の対応が一番問題になります。医師、検査技師、放射線科技師、看護師のスタッフ数が夜間確保出来ているか病院によって様々です。

脳卒中が専門、或いは経験のある医師でtPA講習会を受けている医師がいる、或いは常勤で資格を持った医師が居て当直医が常勤医師に連絡をしてOKが出れば使用は出来ます。9月まで勤務していた救急病院では当直医全員がtPA講習会を受講、看護師はtPAシミュレーションを全員が経験しています。10月から勤務している当院では職員全員に10回に分けて講習会を院内で開催して受講してもらっています。画像は夜間でも私のiPadに送信してもらい指示を当直医に出します。

ペースメーカーが入っている等の理由でMRIが撮れないケースはあります。昨年、Strokeという雑誌に掲載されていますが、全脳梗塞患者のうちtPAを使用できた症例はSCU(脳卒中ケアユニット)を持っていない病院では1%を切るのが日本の現状です。MRIが普及している日本ではやはり7~8割のケースでCT→MRIを撮影してtPAを静注しています。脳卒中の診療歴が長く経験のある医師であればCTだけでtPAを使用できますが、自信がなければMRI、Diffusion Weighted Image(DWI)を撮ってから投与する、私もそうしています。DWIだけなら1~2分で撮影が可能ですから、採血結果が出るまでの時間内にDWIを撮っても時間のロスになることは殆どありません。

発症時間が分かっていて脳卒中が疑われる場合、救急隊が病院に搬送する時はtPA使用可能な病院を選んで搬送しているはずです。但し、これは救急医療体制の違いが地域によってありますから救急一次病院にまず搬送、そこからtPAが使用できる病院への転送もあります。かかりつけ医に夜間往診をお願いしていると時間のロスになりますから脳卒中の症状が出ていればまずは救急要請して構いません。

開業医の先生も脳卒中ではないかと思われたら直接tPA使用可能な病院に患者さんを連れていくように家族に説明しスルーして頂いた方がよいと思います。tPAの場合、時間が勝負です。

トラックバック

このページのトラックバックURL:
http://app.blog.bbiq.jp/t/trackback/507449/25291387

tPAをなぜ使用しなかったのか?を参照しているブログ:

コメント

コメントを投稿

Powered by Six Apart